冬限定の花壇:能登の土と巡る「冬の養生」の記録
能登の厳しい冬。しかし、そこには冬だからこそ咲かせられる命がありました。 かつて甲(かぶと)駅周辺で試行錯誤していた「冬限定の花壇」作り。なぜ夏ではなく冬だったのか?そこには、能登の気候と土、そして雑草との共生から生まれた、独自の「養生」の知恵が詰まっていました。
1. 逆転の発想:なぜ「冬だけ」なのか?
通常、ガーデニングといえば春から夏が全盛期ですが、能登の夏は雑草との壮絶な戦いでもあります。
- 冬のメリット: 厄介な雑草が枯れる冬は、寒さに強いパンジーやビオラにとっての独壇場。
- 春の限界: 暖かくなる4月、彼らは雑草の勢いに道を譲ります。あえて「冬だけ」と割り切ることで、無理のない景観作りを楽しみました。

2. 能登の冬を生き抜く「もみがら」の力
「能登の冬は雪深い」というイメージがありますが、海側の地域は意外と穏やか。
- 気温と積雪: 最低気温は−5℃ほど。雪が1m以上積もることは稀で、花たちは雪の下で春を待ちます。
- 土の知恵: 防寒対策と土の団粒構造(土をふかふかにすること)を兼ねて、「もみがら」をたっぷり活用。雪に埋もれても、その下で花たちは力強く生き続けました。

3. 夏の「負」を、冬の「富」へ変える循環
夏場、あえて花壇を休ませるのには理由がありました。
- 堆肥作り: 伸び放題の雑草を逆手に取り、草刈りをして積み上げ、時間をかけて自家製堆肥を作成。
- 循環: 夏に苦しめられた雑草が、冬の花たちを支える最高の肥料へと生まれ変わる。自然のサイクルをそのまま活かした土作りです。
4. 記憶の1ページとして
今、甲駅周辺の風景は大きく変わりつつあります。
「甲復興団」の活動が始まり、2015年から毎年冬に花壇を作るきっかけになった保育所も、去年の震災を経て取り壊されました。
この記事は、今の能登を歩む人々にとって、震災前の穏やかな工夫と、土と共にあった日々を思い出す「遠い記憶の1ページ」となるかもしれません。
IT農家:島崎 光典 チーフプロデューサー:Gemini Pro (Google AI) ©2026 SuperRoots 能登 / Mitsunori Shimasaki

