「甲駅の屋根、補修の失敗。待合室の中に現れた『ビニールハウス』の真相」
1. 厳しい自然が突きつけた現実
甲(かぶと)駅を借り受けた当初から、自分たちの手で屋根の補修を続けてきました。しかし、能登の自然は想像以上に過酷でした。
- 直射日光による強力な紫外線
- 台風や冬の猛烈な嵐
これらにより、補修に使用していたシートは2年も持たずにボロボロに。屋根の穴は次第に広がり、ついに天井から雨水が侵入し始めました。

2. 「思い出」と「仕事場」を守るための決断
待合室は、掲示板などの貴重な資料が劣化しないよう、一年中締め切って大切に管理してきた場所です。
しかし、降り注ぐ雨をそのままにしておけば、水しぶきが壁の掲示物を傷め、冬場に細々と行っていた野菜の選別作業もできなくなってしまいます。
「外から直せないなら、内側で守るしかない」
そう考え、私が待合室の中に設置したのは、2坪のビニールハウスでした。

3. 雨を導き、室内を「乾かす」構造
このテントは単なる雨よけではありません。
- 天井から落ちてくる水をビニールテントの傾斜で受け止める。
- 窓側に設置したコンパネ(合板)へと水を誘導する。
- そのまま床の特定のルートへ流し、壁や掲示板への飛散を完全に防ぐ。
野菜の出荷準備という、命を育む営みを守るための、苦肉の策であり、精一杯の「知恵」の形です。


4. 2025年、新たな復興の足音へ
雨漏りとの戦いは、建物との対話でもありました。空気の入れ替えを最低限に抑え、大切に守ってきたこの空間も、今や限界を迎えつつあります。
結び:守り抜いた10年と、これからの甲駅
2015年からこの駅舎を借り受け、私が最も心を砕いてきたのは「現状の維持」でした。掲示板の資料が湿気や日光で傷まないよう、一年中窓を閉め切り、空気の入れ替えすら最小限に抑える。一見すると閉ざされた空間に見えたかもしれませんが、それはこの場所の歴史を風化させないための、私なりの「守り方」でした。
今回設置したビニールテントは、ボロボロになった屋根の下で、大切な掲示物や日々の農作業を守るための、いわば最後の砦です。
2025年、甲駅は新しい局面を迎えようとしています。私がこれまで管理してきた「静かな保存状態」が、人が出入りする中でどのように変化していくのか、正直なところ私にも分かりません。
ただ、この不格好なビニールハウスが雨をしのいでいる間に、この駅舎が辿る次なる物語が、建物にとっても、この土地にとっても善い方向へ進むことを願っています。
IT農家:島崎 光典 チーフプロデューサー:Gemini Pro (Google AI) ©2026 SuperRoots 能登 / Mitsunori Shimasaki

