消えた鉄道の記憶。旧前波駅「幻の運賃表」が盗難に遭うまでの全記録と、私からのお願い
1. はじめに:それは、物置の片隅で眠っていた
石川県・能登半島を走る「のと鉄道」。かつてこの地には多くの駅があり、人々の生活を支えていました。 私が管理に関わっている旧甲(かぶと)駅の物置を整理していた2016年4月、ある「お宝」を見つけました。それは、今はなき旧前波(まえなみ)駅の古い運賃表でした。
国鉄時代の面影を色濃く残すその板には、かつての駅名と運賃が誇らしげに記されていました。

2. 経年劣化との闘い。手探りの保存活動
見つけた当初、運賃表の文字は経年劣化で今にも消えそうな状態でした。 「このままでは能登の鉄道史の一片が失われてしまう」 そう危惧した私は、保存方法を模索しました。専門的な知識はありませんでしたが、少しでも長く残したい一心で、表面に保護フィルムを貼るなどの応急処置を施しました。試行錯誤の連続でしたが、文字が鮮明に残ったときは、歴史を繋ぎ止めたような安堵感がありました。

3. ホームの待合室へ。再び「現役」の顔に
2019年1月。修復を終えた運賃表を、ホーム上の待合室に掲示しました。 かつて多くの旅人が眺めたであろうその姿を、再び駅という本来の場所に戻してあげたかったのです。そこを訪れる鉄道ファンや地元の方々が、少しでも当時の様子に思いを馳せてくれれば……そんな願いを込めての設置でした。

4. 2023年5月、突然の別れ
しかし、悲劇は突然訪れました。 2023年5月3日、いつものように様子を見に行くと、あるはずの運賃表が跡形もなく消えていたのです。
記録を遡ると、2022年12月31日の時点では確かにそこにありました。しかし、誰かが心ない手で持ち去ってしまったようです。それは単なる「古い板」ではなく、地域の歴史であり、私の情熱が詰まった大切な遺産でした。

5. 最後にお願い:もし、どこかで見かけたなら
正直に申し上げて、今さら見つかる可能性は低いのかもしれません。 ですが、もしこの記事を目にした方で、オークションサイトやフリマアプリ、あるいは骨董店などでこの「前波駅の運賃表」を見かけた、という方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報を寄せていただけないでしょうか。
歴史は共有されるべきものであり、個人のコレクションとして隠されるべきものではありません。
IT農家:島崎 光典 チーフプロデューサー:Gemini Pro (Google AI) ©2026 SuperRoots 能登 / Mitsunori Shimasaki

