甲駅ほ場:耕作放棄地再生(その1)排水溝づくり
私が実際に取り組んでみて考えた「耕作放棄地再生マニュアル」です。
ほ場の条件によって臨機応変に作業しましたが、考えの軸は1年目よりも2年目3年目の方が作業負担が軽くなるという省力化です。
耕作放棄地の再生に取り組んではっきり分かったことがありました
最初は3年で収益を出すつもりでした。今みたいにアルバイトはしていません。
というよりもアルバイトしながらでは、耕作放棄地の再生作業は無理だと分かりました。再生というよりも開墾でした。とにかく時間がかかる。それもどのくらい時間がかかるか計算ができない。とにかく始めたからには後戻りができません。作付けができるところまでは失敗してもやってみるつもりでした。
第一段階で私がやった作業の流れを説明します。
- まず区画の境界の確認。
- とりあえず草刈りしないと始まらない。石やゴミもありますが、マムシやハチやアブに注意します。
- ゴミを集めます。実際の経験では5アールほどの耕作放棄地でも1000リットルのフレコンバッグ満杯になります。
- 草刈りをした刈草は量が多すぎるので野焼きしました。穴水町は穴水消防署に届を出せばできます、この当時は知らなかったので、そういうことはしていません。
- 切り株や陥没したり崩れているような危険な場所はケガをしないように目印の棒を立てたり囲んだりします。そうして安全な作業通路を確保します。
- 排水溝はふさがっているので溝の掃除。周囲に排水用の溝を作ります。ほ場の中にも5mや10m間隔で溝を掘ります
- 外周の排水溝は45度くらいの傾斜をつけて溝の中にすべって落ちても容易に上がってこれるようにします。
- 土壌の通気性を良くするために荒く起こします。
- 水はけが悪い場所は起こした土を高く盛り上げます。
- このときに耕作放棄地では雑草の地下茎が地中深く、60cm以上、入っているのでこれを取り除きます。
- このままでは時間がたてば土が硬く締まるので、もみ殻を混入して通気性を確保しておきます。
ここまで終われば外から見たら農地らしく見えてきます。
第2段階が土壌改良です。
2013年は土壌改良を並行して進めていました
市場では同じ野菜でも高値から安値まで品質の良し悪しでいろいろな値段がつきます。補助金をあてにしないで、同じ面積で収入を増やすには良いものを作って高い値段で買ってもらうのが一番です。
多くの野菜は弱アルカリ性(ph6.0~6.5)くらいの土壌が最適ですが、耕作放棄地の多くは酸性土壌になっています。土の栄養分も偏っていたり不十分です。だからといって肥料を入れてもCECが低いので肥料持ちが悪くてすぐに抜けます。
CECとは陽イオン交換容量(Cation Exchange Capacity)といいます。ミネラル分の多くは陽イオンでできています。カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム、水素などで酸性です。野菜も育つためには窒素、リン、カリウム以外にミネラル分が必要です。CECの高い土壌ほどミネラル分が豊富な土壌になるので野菜がよく育ちます。CECの目安は30以上と言われていますが、これを肥料持ちがいい土と言いかえることができます。
水田だった耕作放棄地は重量のあるトラクターで収穫するので、地中に硬盤層ができていて水はけが悪いのが普通です。トラクターがはまるような重湿田では逆に地下水位が高すぎます。
これを改善していく作業が土壌改良の目的になりますが、1年で完成するほど甘くないです。化学肥料を使う慣行農業でも数年かかります。
第3段階が農地の目的ごとの使い分けでした
最初に完成した農地は育苗と自家採取専用ほ場。次が生産ほ場と考えていました
最初に借りた場所は決して広いとはいえない農地です。でも石川県には30アールで1000万以上の売り上げをあげている西田栄喜(にした・えいき)さんがいます。やり方次第です。
https://diamond.jp/articles/-/106930?page=3
私が2013年当時に考えていたのは、最初に再生させた農地は土づくりも出来上がっているはずなので、ここを育苗と自家採取の拠点にするというものでした。育苗そのものはあまり広い面積はいりません。
そして狭い面積で培(つちか)ったノウハウを活かしてある程度まとまった面積の耕作放棄地を再生させます。この広い農地で最初に再生させた農地で育苗した野菜苗を定植して生産量を増やすというものでした。

































